絵本作家どいかやさんの『服を10年買わないって決めてみました』を、タイトルに惹かれて読んだ。
どいさんは、ある年のおおみそかに、自分の持っている服の多さと、服にまつわる様々な問題(ファッション業界は石油産業に次ぐ環境汚染産業であること、ファストファッションに代表される安い服のために発展途上国の労働者が劣悪な労働条件を強いられていること、服が簡単に捨てられることで大量のごみとなっていること)なども、今後10年間は服を買わないチャレンジの勇気づけとなったという。
ルールは、下着・いただいたものはOK、無理せずどうしても必要ならば買う。
最初は今ある服を工夫した。5年ほどたった時、知り合いが始めた手芸クラブに参加して工夫すればまだ着られる服をどんどん直していった。
あと2年という時、ズボンがなくなった。そんな時、近所の人たちとお茶をしていて「ずぼんがない」とつぶやいたら、亡くなった夫の新しいズボンがたくさんあるという方から20本ももらえたのでリフォーム。<これはまさしくギフトエコノミー(「モノと貨幣を交換」する資本主義の経済からはずれ、見返りを求めず与えることを優先する経済のこと)>。
10年を終えた時、どいさんは亡くなった明治生まれの祖母を思う。祖母は孫の服をせっせと作ってくれていたが、自分のものは直しを繰り返して着ていた。祖母にとって10年間服を買わないことなんて当たり前だった、と。
今、私は半年服を買っていない。それも半年前に買った服はリユースセールで手に入れたもの。このままいけばあと半年服を買わない生活を続けられるかも、まず1年から始めようかな。(MK)
イラストや写真がふんだんに使われていて楽しく読めますが、問題意識がそこここに。
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